中国は日本よりもIT化が進んでおり、生活に必要な手続きにスマートフォンのアプリが欠かせない、スマホ必携社会です。
しかしながら、日本で一般的に使用されている多くのアプリは、中国政府による「グレートファイアウォール(金盾)」と呼ばれるインターネット検閲システムでアクセス制限が掛けられており、中国国内では使用できません。このため、中国国内では、中国独自のアプリを使用することになります。
中国生活で重要度の高いアプリは以下の通りです。
アプリ名 | 用途 | コメント |
WeChatPay(微信支付) | アプリ決済 | メッセンジャーアプリWeChatのQRコード決済機能。WeChatが生活に必須のため普及率が高い |
アリペイ(Alipay/支付宝) | アプリ決済、資産運用 | WeChatPayより普及率が高く、両方あれば不自由はない |
WeChat(微信) | メッセンジャー、SNS、アプリ決済 | 中国版LINE、名刺代わりの必需品。アプリ決済の普及率も高い。 |
百度(バイドゥ/baidu) | 検索、総合情報ポータル | 中国版google。検索機能に加えて、地図や動画、SNSなど、さまざまな情報とサービスを集約したポータルアプリ |
美团 | 出前、買い物代行、予約 | 出前、食料品の買い物代行からタクシーや旅行の予約まで生活を網羅 |
淘宝 | ECプラットフォーム | アリババグループが運営。信用度の高い企業から個人まで出店できるので何でも買える |
大众点评 | 食事、娯楽、買い物などの総合的口コミアプリ | 中国版食べログ。ネット予約や通販での失敗を防ぐために、口コミは不可欠 |
中国への旅行者や赴任者は、中国の空港に到着したその瞬間から、スマホ必携の生活が始まります。空港からの移動すら、スマホアプリを使って行き先を調べ、タクシーを呼び、食事も買い物もアプリ決済を求められる、ということにもなりかねません。
したがって、スマホの電波が入らない、中国で使えるアプリが分からないという場合、いきなり不便を強いられることになります。
中国赴任に向けた準備段階でも、マイナンバーを利用したマイナアプリ[i]や、航空会社のアプリなどを使う局面は出てくるでしょう。ですが、中国生活のアプリの使用頻度は、日本の比ではありません。
この記事では、出発前から準備しておきたいスマホ環境から、中国生活に慣れるにしたがって導入していきたいアプリまで、中国生活を快適にするための必須アプリをご紹介します。
1. 重要度MAX!出発前から準備しておきたい、中国で必須のアプリ
先述の通り、中国では、日本よりずっと社会のIT化が進んでいます。
特に、決済のキャッシュレス化の勢いはすさまじく、「現金支払いお断り」の店が増えて社会問題となったことがあるほどです。現在は「現金支払いお断り」は法律で規制されていますが、バスの運賃も含め、お釣りの準備がない店は今も多くあります。
中国到着後、すぐにスマホアプリを使うにはスマホの通信準備も必要です。安定的な通信環境を整えるのは中国生活が始まってからとなりますが、それまでのつなぎとして、中国旅行用のSIMや国際ローミングサービスなどを準備しておくとよいでしょう。
1-1. バスも露店も公共料金も!支払いは全てQRコード決済アプリ
中国はキャッシュレス決済が主流ですが、クレジットカードの普及率は低迷しています。中国で銀行口座を開設すると、キャッシュカードに銀聯のデビッドカードが必ず付帯しますが、銀聯カードすらも、スマホアプリのQRコード決済(モバイル決済)の爆発的な普及に後れを取っています。
2023年の時点で、中国におけるモバイル決済普及率は86%に達しています。今や、路線バスの運賃も、道端の屋台も、全てQRコード決済が中心と考えて構いません。QRコード決済には、日本のクレジットカードもひも付けられるので、渡航前から準備しておきましょう。
中国でメジャーな決済アプリは以下の2つです。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
WeChatPay(微信支付) | https://www.wechat.com/ja/ | アプリ決済 | メッセンジャーアプリWeChatのアプリ決済機能。WeChatは他の機能も生活に必須で普及率が高い | ★★★ |
アリペイ(Alipay/支付宝) | https://www.alipay.com/ | アプリ決済、資産運用 | WeChatPayより普及率が高く、両方あれば不自由はない | ★★★ |
WeChatPay(微信支付)
「中国版LINE」とも称される、WeChat(微信)というメッセンジャーアプリのQRコード決済機能をWeChatPay(微信支付)といいます。WeChatは、名刺やメール代わりにも使われるため中国ビジネスで必須のアプリです。
WeChatPayの引き落とし先には主要なクレジットカードを指定できるので、WeChatアプリだけでも事前にインストールしておくと、中国生活がスムーズに始められます。
中国国内で銀行口座を開設したら、引き落とし口座を変更できます。
アリペイ(Alipay/支付宝)
中国国内のアプリ決済で、WeChatPayを上回るシェアを誇るのがアリペイ(Alipay/支付宝)です。
アリペイは、中国版Amazonとも呼ばれる淘宝网(Taobao)を運営する、大手IT企業のアリババグループが提供する決済サービスで、淘宝网の決済方法として導入されたことを足掛かりに爆発的にシェアを拡大しました。
こちらも、クレジットカードをひも付けることができ、日本からアカウント作成も可能です。
決済アプリは、WeChatPayかアリペイのどちらかがあれば生活には困りませんが、WeChatPayは、決済機能だけでなくWeChat自体が必需品なので、インストールを強くおすすめします。アリペイについては、必要に応じてインストールを検討してもよいでしょう。
1-2. タクシー予約はアプリで!地図アプリも中国版を使おう
中国のタクシー料金は、初乗り(3kmまで)で200~300円(上海14元、北京12元/1元=約21円、2024年11月25日現在)と安価なため、気軽に日常の足として使われています。
空港の正規のタクシー乗り場は、合法的なタクシーしか乗り入れられないので、基本的には安心です。しかし、市中を走る流しのタクシーは違法タクシー、いわゆる「白タク」の可能性もあり、トラブルに発展する恐れがあります。
空港から目的地に到着したら、食事や日用品の購入のため、まずは地図アプリで場所を確認し、タクシーに乗って出かけることになるでしょう。その際は、タクシー配車アプリを使用すると安心です。大手の配車アプリには、合法的なタクシー企業しか登録できないため、白タクのトラブルを回避できます。
長距離移動する場合には、列車や飛行機のチケットもアプリ購入がおすすめです。中国国内の出張や旅行にも便利です。
アプリのアカウント登録には、居住地や携帯番号が必要になります。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
美团 | https://www.meituan.com/ | 出前、買い物代行、予約 | 出前、タクシー予約、買い物代行、各種チケット購入など網羅 | ★★★ |
滴滴出行(DiDi) | https://www.didiglobal.com/ | タクシー配車 | 中国だけでなくアジアを中心としたグローバルな配車アプリ | ★★ |
百度地图 | https://map.baidu.com/ | 地図 | 翻訳、日本語の漢字での検索が可能。ルート検索やタクシー配車もできる | ★★★ |
高德地图 | https://ditu.amap.com/ | 地図 | ルート検索やタクシー配車、アリペイとのひも付けが可能 | ★★ |
美团
デリバリーの総合アプリですが、タクシー配車や交通チケットの購入もできます。アプリをいくつも増やしたくない場合は、交通関係も含めて美团1つで済ませるのもよいでしょう。
WeChatPayやアリペイ、クレジットカードなどとひも付けして、アプリ内で決済まで済ませられます。

「打车(Dǎchē)」がタクシー配車で、「火车票(Huǒchē piào)」が列車のチケット、「机票(Jīpiào)」が飛行機のチケットです。
滴滴出行(DiDi)
滴滴出行(DiDi)は、タクシーだけではなく、ライドシェアにも対応している、配車サービスに特化したアプリです。近年では、日本を含むアジア圏でもサービスを展開しており、アプリも大陸版と国際版の2種類があります。中国国内で利用する場合は、大陸版をインストールします。
2021年に、サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、個人情報保護法に違反したとして、新規アカウント登録の停止処分を受けましたが、2023年1月にサービスを再開しました。
百度地图
中国屈指の検索サイトを運営する百度(バイドゥ/baidu)による、中国に特化した地図アプリで、Googleマップに近い感覚で使えます。ルート検索から、「打车」を選択することで、タクシーを呼ぶこともできます。
百度地图は、翻訳機能が付いているので、中国語が分からなくても使いやすく、また、場所の検索は基本的には中国語対応ですが、日本語の漢字を入力しても大体は認識されます。
なお、Googleマップは、中国では規制されているため使えません。
高德地图
高徳地图は、アリババグループが運営する地図アプリで、アカウント作成には中国の電話番号などが必要です。
Googleマップと同じく、地図からさまざまな移動手段でのルート検索ができる他、ルート検索からタクシー手配もできます。支払いはアリペイにひも付けできます。
2. 仕事にも日常生活にも、深く関わる重要アプリ
中国では、アプリ版のオンラインショップが全盛です。日常の買い物だけではなく、タクシーやレストラン、ホテルの予約、列車や飛行機、映画のチケット購入など、全てでスマホアプリが主流です。
一方で、企業の公式ホームページは、あまり充実していません。中国では、パソコンからのインターネット接続が全土に普及する前にスマホが爆発的に普及したため、今もインターネット接続はほとんどがモバイルからです。
多くの企業は、WeChatなどのコミュニケーションアプリや、買い物ポータルアプリなどの中に公式ページや窓口を置いており、企業の公式ページにアクセスするにもアプリ導入が必須となっています。
2-1. おしゃべりから名刺交換まで!仕事でも必要なコミュニケーションアプリ
日本でも、LINEやX(旧twitter)などで気軽にコミュニケーションを取りますが、中国では日本以上にコミュニケーションアプリが欠かせません。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
WeChat(微信) | https://www.wechat.com/ja/ | メッセンジャー、SNS、アプリ決済 | 中国版LINE、名刺代わりの必需品。アプリ決済の普及率も高い | ★★★ |
微博(ウェイボー) | https://weibo.com/ | ミニブログ、SNS | 中国版X(旧twitter)。話題性が高く、多くの企業や有名人がアカウントを保有 | ★★ |
WeChat(微信)
WeChatは、大手IT企業のテンセント・ホールディングスが運営しています。中国版LINEとも呼ばれており、ビジネスシーンでは名刺交換代わりに気軽にWeChatの友達登録をするのが一般的です。
1章の決済アプリに挙げたWeChatPayはWeChatの機能の1つで、それがあることも含めてインストール必須です。
また、日常生活でも、クリニックの予約からメーカーへの問い合わせまで、窓口がWeChatのアカウントになっているケースが増えています。微信小程序というWeChat内のミニプログラムに、公式アプリを置く企業も多くあります。WeChatは、導入しないと困るアプリの筆頭格です。
微博(ウェイボー)
中国版X(旧twitter)と呼ばれて久しい微博(ウェイボー)は、X(旧twitter)とFacebookの役割を兼ねたようなアプリです。
個人単位では、インターネット上の気軽なコミュニケーションに利用されますが、企業や有名人の公式アカウントや、インフルエンサーとのタイアップ広告なども多く、プロモーションにも多く使われています。
勤務先の企業の業態によっては、フル活用することになるかもしれません。
2-2. 日常生活に深く関わる、お買い物アプリ
中国のEC化率は、2023年時点で48.0%となっており、世界的に見ても、2位のイギリスの29.6%を引き離してトップを独走しています[ii]。
買い物アプリには、割引クーポンや限定セールがあったり、実店舗の半額ほどの価格で購入できる商品があったりします。この「アプリならではの安さ」が普及拡大を牽引しました。
食料品、日用雑貨の他、医薬品も購入できるなど取り扱う商品は幅広く、飲料水のような重い物であっても、アプリ1つで配達してもらえることも魅力です。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
淘宝 | https://world.taobao.com/ | ECプラットフォーム | アリババグループが運営。信用度の高い企業から個人まで出店できるので何でも買える | ★★★ |
拼多多 | https://m.pinduoduo.com/ | ECプラットフォーム | 共同購入システムで格安に買える | ★★ |
天猫 | https://www.tmall.com/ | ECプラットフォーム | 出店の審査が厳しく、商品や店舗への信頼度が高い | ★★ |
美团 | https://www.meituan.com/ | 出前、買い物代行、予約 | 出前、タクシー予約、買い物代行、各種チケット購入などを網羅 | ★★★ |
饿了么 | https://www.ele.me/ | 出前 | 美团の外卖に次ぐシェアを誇る | ★★ |
淘宝
大手IT企業のアリババグループが運営する、中国国内最大手の通販ポータルアプリです。大手企業から個人まで出店できるため、幅広い商品が販売されています。詐欺対策や、店舗への問い合わせシステムの整備に注力しており、安心感が強みです。
拼多多
地方都市で人気に火が付き大都市にも浸透した通販アプリで、共同購入システムによって他のアプリに比べて格安で購入できる点が特徴です。
天猫
こちらもアリババグループの運営ですが、淘宝とは違って厳しい審査を通過した、営業許可証などを持つ法人しか出店できません。日本からは、株式会社ユニクロ、株式会社ニトリなどが出店しています。
商品の品質や保証に対する信頼感から、シェアを拡大中です。
美团
大手デリバリーアプリです。1章で紹介したタクシー予約だけでなく、出前の「外卖」、ネットスーパーの「超市」、医薬品の購入に、レストランやカラオケの予約など、サービスは多岐にわたっています。
饿了么
美团に次ぐ、シェア2位のフードデリバリーアプリです。美团だけでは物足りなくなったらインストールを検討してもよいでしょう。
2-3. 検索も中国版が必要
中国ではgoogleが使えないため、検索も中国のアプリを使います。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
百度(baidu/バイドゥ) | https://app.baidu.com/newapp/index | 検索、総合情報ポータル | 中国版google。検索機能に加えて地図、動画、SNSなど、さまざまな情報とサービスを集約したポータルアプリ | ★★★ |
Bing(必应) | https://www.bing.com/?mkt=zh-CN | 検索、総合情報ポータル | 米マイクロソフト社の検索アプリ。ニュース、翻訳などの機能もある | ★★ |
百度(baidu/バイドゥ)
中国で検索アプリといえば、総合情報ポータルの百度です。検索機能の他、ニュース、中国版Wikipediaのような百科辞典、翻訳など、圧倒的な情報量を誇ります。
Bing(必应)
米マイクロソフト社の検索エンジンですが、中国でも使用できます。デスクトップパソコンからの検索で人気があります。
2019年ごろにアクセスが遮断されたことがありますが、一時的なもので後ほど再開されました。
3. 中国に慣れたら検討してみよう。生活の質が上がる便利アプリ
中国に到着したら、まずは必須アプリに慣れることから始めましょう。中国生活に慣れてきたら、生活をより快適に楽しくするアプリもチェックしてみてください。
3-1. 日々の話題は動画アプリから生まれる
中国でYouTubeは使えません。代わりに、中国独自の動画アプリが発展しています。インフルエンサーによる広告効果の高さから、企業プロモーションやマーケティングにも活用されている他、通販の口コミアプリとしても機能しています。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
抖音 | https://www.douyin.com/ | 動画アプリ | TikTokの本家。ECとひも付けた動画マーケティングでビジネス活用も可能 | ★★ |
快手 | https://www.kuaishou.com/ | 動画アプリ | ライブストリーミング機能が充実 | ★★ |
bilibili | https://www.bilibili.com/ | 動画アプリ | 中国版ニコニコ動画。サブカルに強い。若者向けのマーケティングツールとしても活用されている | ★★ |
爱奇艺 | https://www.iqiyi.com/ | 動画アプリ | 中国版Netflix。バラエティに強く、オリジナルコンテンツも豊富 | ★ |
腾讯视频 | https://v.qq.com/ | 動画アプリ | オリジナルコンテンツが豊富。学生ユーザーが多い | ★ |
优酷 | https://youku.com/ | 動画アプリ | 中国版YouTube。オリジナルコンテンツも豊富 | ★ |
抖音
ショート動画投稿アプリTikTokの本家中国版です。抖音は、TikTokに先駆けて新機能を正式実装するケースが多く、その1つにEC機能があります。
企業やインフルエンサーの動画から直接ショッピングを楽しむことができるため、企業によるプロモーションなどのビジネス利用も活発です。
チャットなどのSNS機能や、ライブ配信の投げ銭機能も活用されています。
快手
ライブ配信とECを組み合わせたライブコマースに強みがあります。有名人やインフルエンサーを多用してプロモーション活動をする抖音に比べると、一般人による素朴で日常感がある動画が多く、ユーザーが親近感や安心感を抱きやすいことが取引額の拡大につながっています。
3-2. ネット通販の口コミ確認は、口コミアプリを利用しよう
EC化が進む一方で、ネット通販における不良品や詐欺などのトラブルを回避するためにも、口コミの重要性が増しています。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
大众点评 | https://www.dianping.com/ | 食事、娯楽、買い物などの総合的口コミアプリ | 中国版食べログ。ネット予約や通販での失敗を防ぐために、口コミは不可欠 | ★★★ |
小红书 | https://www.xiaohongshu.com/ | EC機能付きの写真動画共有SNS | 中国版Instagram。口コミアプリとしてEC市場に強い影響力を持つ | ★★ |
大众点评
口コミ総合アプリで「中国の食べログ」といわれることもありますが、レストランに限らず口コミの対象は多岐にわたります。運営会社は大手IT企業の美团で、美团が提供する他のサービスとも連携しています。
日本にも進出しており、レストランやホテル、観光地などについて、多くの訪日中国人観光客が大众点评の口コミを参考にしています。このことから、インバウンド需要を狙う日本企業の登録も増加傾向にあります。

小红书
中国版Instagramと呼ばれています。写真や動画を共有できる若者向けのSNSで、ファッションや美容品などの口コミが重宝されています。EC機能が実装され、口コミページから商品購入ページに飛べるようになったことで、口コミアプリとしての要素が一層強くなりました。
3-3. 出張にも旅行にも使える、列車や飛行機のチケット購入アプリ
長い中国滞在の中で、中国各地に出張や旅行に出かけることもあるでしょう。
美团などでも、長距離列車や飛行機、ホテルの予約は可能です。予約方法に選択肢が欲しくなったら、他にも有名なアプリがあります。
アプリ名 | URL | 用途 | コメント | 重要度 |
携程旅行(Ctrip) | https://www.ctrip.com/ | 旅行手配 | Trip.comの本家。ホテル、列車・飛行機、娯楽施設のチケットなどの予約が可能 | ★★ |
铁路12306 | https://www.12306.cn/index/index.html | 旅行手配、高速鉄道のチケット予約 | 中国铁路の公式アプリ。高速鉄道(高鉄)のチケットをオンラインで購入できる。出張時に便利 | ★ |
航旅纵横 | https://www.umetrip.com.cn/ | 飛行機チケットの管理 | 飛行機のチケットを予約した後、座席の予約や、事前のオンラインチェックインが可能。搭乗口や受託手荷物のターンテーブル番号なども表示される。出張時に便利 | ★ |
携程旅行(Ctrip)
中国国内・国外の旅行に対応した総合旅行アプリで、ホームページからも同じ機能を使えます。運営会社は、中国国内ではCtrip、中国以外ではTrip.comとしてグローバルにサービスを展開するトリップドットコムグループです。
各種チケットやホテルが安値で予約できるだけではなく、旅行保険や観光情報、ツアー予約、クーポンなども充実しています。

ホテルは「酒店」、レンタカーは「租车」、観光スポットは「景点」です。
铁路12306
長距離鉄道や高速鉄道を運営する、国営企業の中国铁路の公式アプリです。列車の発着時刻と席のグレードを一覧で見られます。
航旅纵横
飛行機に関する便利アプリです。パスポート番号と氏名でアカウント登録すると、どこから予約したチケットでも、自分が搭乗する便の情報が表示されます。座席の選択や、運行情報の確認も可能です。
4. まとめ
中国生活にはスマホアプリが欠かせませんが、日本で一般的に使用されているアプリのほとんどは、中国政府によるアクセス制限によって使用できません。そこで、中国独自のアプリを駆使することになります。
出国前からインストールしておきたいアプリは、以下の通りです。それぞれの項目につき、最低1つは使えるようにしておきましょう。
- 決済アプリ(WeChatPay、アリペイ)
- タクシー配車アプリ(美团など)
- 地図アプリ(百度地图、高德地图など)
中国に赴任後、スムーズに生活できるよう早急にインストールしたいアプリは以下の通りです。
- お買い物アプリ(淘宝、天猫など)
- 検索アプリ(百度、Bing)
中国生活に慣れてきたら、より生活を豊かにする便利なアプリのインストールも検討するとよいでしょう。企業によっては、マーケティングに活用する場合もあります。
- 動画アプリ(抖音、快手など)
- 口コミアプリ(大众点评、小红书)
- 旅行、交通アプリ(携程旅行、铁路12306、航旅纵横)
ここまで、中国生活で必須のアプリをご紹介しましたが、中国駐在中には、日本側と連携するため日本と同様のインターネット環境やアプリの使用を求められる場面も出てくるでしょう。
そこで、スマホアプリの使用準備を進めるとともに、中国政府によるアクセス制限に備えてVPNの準備も進めておくことをおすすめします。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
[i] デジタル庁「マイナポータルアプリ」(閲覧日:2024年11月18日)
[ii] 経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」,2024年9月公表,P103(閲覧日:2024年11月18日)
- 人民網日本語版「中国のモバイル決済普及率は86%で世界一」,2023年12月29日,http://j.people.com.cn/n3/2023/1229/c94476-20116495.html(閲覧日2024年11月25日)