「今使っているスマホ、中国に赴任してもそのまま使えるのかな?」
中国に赴任を予定されている方、こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
今やスマートフォンは生活必需品です。赴任先にも、できれば使い慣れている物を持って行きたいですよね。「でも、中国はインターネット規制が厳しそうだし、難しいか…」と諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ちょっとした工夫をすれば今日本で使っているスマホで中国ライフを送ることができます。
この記事では、現在ご利用中の端末や赴任期間に応じて、おすすめの手続きや中国のキャリアをご紹介します。中国赴任のベストパートナーとしてスマホを使いこなし、不便のない駐在ライフをお送りください。
目次
1. 中国で、日本と同じようにインターネットを利用するには対策が必要
スマートフォンを利用するにはインターネット環境が欠かせません。
ところが、中国のインターネットには、「グレート・ファイアウォール」というネット検閲システムが敷かれており、情報は全て中国政府に監視・規制されています。
更に、中国以外の企業が提供するGoogleやYahoo!などの検索エンジン、FacebookやTwitter、LINEなどのSNSサービス等は軒並み禁止されており、アクセスできません。
この規制を突破し、日本と同等の自由なインターネット環境に接続するには、VPN(Virtual Private Network)という仮想ネットワークのサービスを契約し、海外のIPアドレスを取得する必要があります。しかし、中国では年々VPNに対する規制が厳しくなっており、ある日突然使用できなくなってしまうこともあるようです。
VPNには有料と無料のものがありますが、無料版はセキュリティ対策が危険視されているものが多く、あまりおすすめできません。また、近年では日本企業から、VPNを使用しなくても自由なインターネット環境に接続できるWi-Fiサービスも登場しているようです。スマホの手続きをする際に、インターネット環境も並行して整えていきましょう。
2. 中国赴任後も今のスマホ端末をそのまま使うには?
今使っているスマートフォン端末を、中国でも使う一番簡単な方法は、日本で契約しているキャリアの「国際ローミング」サービスの利用です。スマホからのインターネットへの接続は、グレート・ファイアウォールを気にせずに、ほぼ今まで通りに使用できます。
国際ローミングサービスの欠点は、非常に高額なこと。短期出張や観光ならまだしも、長期赴任の場合は現実的ではありません。
そこでおすすめなのは、日本の携帯キャリア会社の契約で掛かっているSIMロックを解除し、中国キャリアのSIMカードをスマホ端末に挿入する方法です。
これを実現するには、今利用している端末をSIMフリーにする必要があります。
中国キャリアのSIMカードを使用すると、スマホ単体からのインターネット接続は、グレート・ファイアウォールの影響を受けますが、中国生活に必要なアプリは問題なく使えます。VPNや企業のWi-Fiサービスが用意できれば、日本の検索エンジンやSNSなども、スマホで利用できます。
2-1. SIMフリーとは?
SIMとは、携帯キャリア会社と契約すると発行されるスマホ本体の中に装着されているICカード(SIMカード)のことで、利用者の識別情報や電話番号が記録されている媒体です。電話はもちろん、Wi-Fiを経由せずにインターネットに接続するために必ず必要となります。
最近まで、日本の三大キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)は、自社で販売したスマホ端末には、自社以外のSIMカードが使えないように制限をかけた状態で販売していました。これが「SIMロック」です。
中国を含む、他社のSIMカードを使う場合は、端末のSIMロックを解除しなければなりません。
格安スマホの普及に伴い、NTTドコモでは、2021年8月27日以降、auでは2021年10月1日以降に発売された機種については、SIMロックがなくなり、どの携帯キャリア回線でも使用できるようになりました。
こうした、SIMロックが掛かっていない状態を「SIMフリー」といいます。ソフトバンクも、一定条件の下でSIMフリーとなっています。
Apple Storeなど、携帯キャリア会社以外で販売しているスマホは、元々SIMロックが掛かっていないため、SIMフリーです。
SIMロックを解除するには、AndroidやiPhoneかどうかに関わらず、携帯キャリア会社が指定する所定の手続きを行う必要があります。3大キャリアのSIMロック解除手続きは、下記を参考にしてください。
携帯キャリア会社 | SIMロック解除についてのURL |
---|---|
NTTドコモ | お客様サポート「SIMロック解除」 https://www.docomo.ne.jp/support/unlock_simcard/ |
au | サポート「SIMロック解除のお手続き」 https://www.au.com/support/service/mobile/procedure/simcard/unlock |
ソフトバンク | サポート「ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する/SIMロック解除」 https://www.softbank.jp/mobile/support/usim/unlock_procedure |
ただし、SIMロックを解除しても、端末によっては中国キャリアのSIMが利用できない場合があり、注意が必要です。次項で詳しくご説明します。
2-2. iPhoneは中国でも使用できる
スマートフォンで通信を行うには、電波(周波数)を利用する必要があります。電波は、国際電気通信連合(ITU)の無線通信規則第5条において、世界を「第一地域」、「第二地域」及び「第三地域」の3つに分けて分配されています[1]。
日本は第三地域に当たります。さらに、総務省によって電波の特性に応じた周波数の割り当てが行われています。
この周波数帯が中国と日本では異なるため、日本で問題なく利用できても、中国キャリアのSIMでは通信できなくなる端末があるのです。
この点、iPhone端末は、どの周波数帯にも適応しているため、世界各国のSIMカードが使用できます。
2-3. iPhone以外は周波数帯に注意が必要
Androidなど、iPhone以外のスマートフォンを利用している場合は、まず現在の端末が中国の周波数帯に対応しているかを確認しましょう。
確認方法は、インターネットで「端末名 周波数帯」と検索する方法が簡単です。携帯キャリア各社の周波数帯一覧や、該当端末のスペック情報にある「バンド●●」という表示が、その端末の利用可能周波数帯となります。
参考)NTTドコモ周波数帯一覧表
出典:NTTdocomo「対応周波数帯」,https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/support/product/band.pdf(閲覧日:2023年6月12日)
次に、お手持ちの端末の利用可能周波数帯が確認できたら、中国キャリアで使用できる周波数帯を調べます。
中国3大キャリアで使用できる周波数帯は以下ですが、あくまで参考値となるため、ご利用の際は、必ず各社ホームページなどで確認するようにしてください。
中国移動通信
4G | Band3(1800MHz)、Band34(2GHz)、Band39(1.9GHz) Band40(2.3GHz)、Band41(2.6GHz) |
5G | n41(2.6GHz)、n79(4.9GHz) |
中国聯通
4G | Band1(2.1GHz)、Band3(1800MHz)、Band40(2.3GHz) |
5G | n1(2.1GHz)、n78(3.5GHz) |
中国電信
4G | Band5(850MHz)、Band3(1800MHz)、Band1(2.1Ghz) |
5G | n78(3.5GHz) |
中国3大キャリアの特徴は、事項で詳しく解説していきます。
本項で解説したおすすめの手続き方法を、一目でわかるYES/NOチャートにしましたのでご活用ください。
図)スマホ端末についてのYES/NOチャート
2-4. 中国3大キャリア比較
中国にも、日本同様に3大キャリアが存在しており、それぞれ特徴があります。
(1) 中国移動通信(China Mobile)
中国国内最大手で、契約者数は約9.7億人と国内契約者全体の約7割を占め、世界1位となっています。通信エリアが広く、プリペイド方式で必要となるリチャージカード(プリペイド料金チャージカード)が、コンビニや自動販売機などで手に入ります。
日本語のサポートもあり、中国国内から10086へ発信し、指定の番号を選択すると日本語のオペレーターへとつながります。
(2) 中国聯通(China unicom)
中国で業界3位のキャリアです。スマホの料金プランが中国移動より安く、スマホでネットを頻繁に利用する層の支持を得ています。北京など、北方エリアが地盤ですが、基地局を中国電信と共通の基地局を使用して通信網を広げています。こちらも、中国国内から10010へ発信し、指定の番号を選択するとオペレーターが対応してくれます。
(3) 中国電信(China Telecom)
固定電話のキャリアとしては最大規模を誇る、歴史ある企業です。携帯キャリアとしては出遅れましたが、安い料金プランを打ち出して新規利用者を大幅に獲得し、中国聯通と共通の基地局を使って通信網を広げています。
中国国内で移動が多い場合は通信エリアが広い中国移動通信、大都市駐在で移動の少ない場合は中国移動通信よりも価格の低い中国聯通など、ご自身の駐在スタイルに合わせて選んでいきましょう。すでに現地に駐在員の先輩がいる場合は、リアルな声を聞いてみるのもよいでしょう。
2-5. 中国キャリアの料金プラン、契約方法は?
キャリアの料金プランは大きく分けて2種類あり、日本同様の月額定額タイプと、プリペイドタイプとなっています。月額定額タイプは毎月の料金が一定ですが、個人で契約する場合はパスポートと現地の保証人が必要となるためハードルが高く、主に法人契約で利用されているようです。
プリペイドタイプは月額定額タイプより若干料金が割高になりますが、プリペイド金額を使い切った後はアプリ経由でリチャージができ、帰国する際の解約手続きも不要ですので、個人契約の場合はプリペイドタイプがおすすめです。
日本で利用していた端末をそのまま利用し、契約もプリペイドタイプの場合は、空港やコンビニ、自動販売機などで販売しているSIMカードを購入し、スマホに挿入すればすぐに利用が可能となります。利用=キャリアと契約を交わしたことになり、書面なども必要ありません。
ただし、正規のルート以外でSIMカードを購入する場合は、サポート対象外になる場合もあるので注意しましょう。
スマホも同時に揃える場合は、中国国内の該当キャリア店舗に行き、希望の契約タイプを伝えてスマホとSIMを購入すると、店員がその場で設定をしてくれるようです。SIMのみを購入する場合も、料金体系などを詳しく聞けて、設定もしてくれるので、店頭で購入した方が安心といえるでしょう。店頭での契約にはパスポートが必要になりますので、必ず持参しましょう。
3. 日本の回線契約は解約?休止?
スマホ本体をどうするかが決まったら、今度は日本の回線契約について検討していきます。選択肢としては、解約・休止の他に、MVNO(格安SIM)への乗り換えがあります。駐在スタイルや日本の携帯電話番号を残したいかなどによって選択が変わってきますので、ご自身の状況に合った方法を選んでいきましょう。
3-1. 解約のメリット・デメリット
長期滞在が決まっており、赴任終了まで一時帰国の予定がない方は、解約をしてしまうという選択肢もあります。
・解約のメリット
日本の携帯電話番号の維持費が発生しないため、経済的に負担にならないというメリットがあります。しかし、定期的に帰国する方は、維持費を支払っても番号を残しておいた方が便利かもしれません。
・解約のデメリット
一般的な個人契約のスマホの解約料は無料になりましたが、法人契約など、条件によっては解約料が発生する場合があります。また、クレジットカードや銀行、インターネットサービスなどの登録に携帯電話番号を使用している場合は、変更手続きが必要です。
VPNを使って中国から日本のサービスを利用する場合、日本の電話番号がないと登録ができない可能性もあります。日本のフリーダイヤルにもつながりません。
・解約の仕方
3大キャリアの解約に関するURLは下記となります。解約をご検討されている場合はご確認ください。
参考)3大キャリアの解約についてのURL
携帯キャリア会社 | 契約解除についてのURL |
---|---|
NTTドコモ | 携帯電話の解約お手続き方法 https://www.docomo.ne.jp/support/cancel/?icid=CRP_SUP_cancellation_thanks_to_CRP_SUP_cancel&charge_15 MNPに関する問い合わせ https://www.docomo.ne.jp/support/cancel_mnp/inquiry.html |
au | 解約・MNP転出をご検討中のお客さま https://www.au.com/support/service/mobile/procedure/contract/cancel/ |
ソフトバンク | のりかえ(MNP/番号移行)・解約について https://www.softbank.jp/mobile/support/cancellation/ |
3-2. 休止のメリット・デメリット
休止とは、現在利用しているキャリアが、電話番号やメールアドレスを保管してくれるサービスのことです。休止中はその番号やアドレスでの通話・通信はできませんが、利用再開手続きを行うとすぐに利用することができます。
・休止のメリット
キャリアを変更する必要がないため、赴任前の手続きが最小限で済むというメリットがあります。中国赴任が決まったら、パスポートの申請やビザの取得、保険の見直しや現住居の管理など他に準備をすることが盛りだくさんです。できるだけ手間を省きたい方にはおすすめの方法です。
・休止のデメリット
デメリットとしては、維持費として毎月料金が発生することや、一時帰国の際に利用を再開し、出国時に再度休止する場合は毎回数千円の手数料がかかることが挙げられます。
また、auとソフトバンクは店舗に出向いて手続きをする必要があるため、貴重な一時帰国中の時間を使うことになります。
・休止の仕方
3大キャリアの休止手続きは、下記を参考にしてください。
携帯キャリア会社 | 休止手続き方法についてのURL |
---|---|
NTTドコモ | 長期間利用されないとき(海外赴任・留学など)の電話番号保管・解除 https://www.nttdocomo.co.jp/support/keep_number |
au | 一時休止・再利用 https://www.au.com/support/service/mobile/procedure/contract/stopping |
ソフトバンク | 電話番号・メールアドレスお預かりサービス https://www.softbank.jp/mobile/support/oazukari |
3-3. MVNO(格安SIM)乗り換えのメリット・デメリット
休止のデメリットを克服するために、MNP(モバイルナンバーポータビリティ[2])を使ってMVNOに乗り換えてしまうというのも一つの方法です。
MVNOとは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略で、独自の通信設備を持たずにキャリアから回線を借りて運営コストを下げ、ユーザーの月額料金を格安で提供している通信事業者のことを指します。いわゆる「格安スマホ・格安SIM」です。
・MVNO(格安SIM)乗り換えのメリット
各社の通話対応プランは1,000円台という低価格からあり、一時帰国した際の再開手続きも不要で、すぐ使えるというメリットがあります。
・MVNO(格安SIM)乗り換えのデメリット
電話番号を維持してMVNOに乗り換えるには、現在契約しているキャリアにMNPを申し込む必要があります。乗り換え先のMVNO業者に支払う、契約手数料が発生する点に注意してください。
MNPを申し込み、MVNOのSIMカードを挿入したタイミングで現在のキャリアは自動的に解約となります。
他にも、MVNOのSIMカードの場合、端末によってはうまく動作しない場合や、場所によって3大キャリアより通信速度が劣るといったことがあるようです。乗り換えをする前に、契約を検討しているMVNO業者に必ず確認をしましょう。
・MVNO(格安SIM)乗り換えの仕方
MVNO事業者は年々増えており、MVNO事業者比較サイトなどでは20社以上の名前が確認できます。また、auはUQモバイル、SoftBankはY!モバイルなど、キャリアがサブブランドとして運営しているMVNOもあり、関連キャリアからの乗り換えであれば契約の一部を引き継げたり、割引を受けたりできる特典があります。
下記の表に、代表的なMVNO事業者の契約についてまとめました。
MVNOの事業者によって、料金コースの変更手続きが前月のうちに必要なものと、使った量に応じて自動でコースが変更されるものがあります。料金の安さと、必要な手続きの簡易さと、両面から比較するといいでしょう。
MVNO業者 | 申し込みについてのURL |
---|---|
Y!モバイル | MNP・番号移行によるお申し込み手続き(転入) https://www.ymobile.jp/support/process/portability/ |
UQモバイル | お申し込みの流れ(UQ mobile) https://www.uqwimax.jp/mobile/flow |
楽天モバイル | 他社から乗り換え(MNP) https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/mnp/ |
mineo | 準備からお申し込みの流れ・持っている端末をそのまま使う https://mineo.jp/apply/simonly-flow |
LINEMO | 利用開始までの流れ https://www.linemo.jp/process/ |
BIGLOBEモバイル | 今のスマホそのままでかんたん格安SIM乗り換え https://join.biglobe.ne.jp/mobile/prepare/mnp.html |
J:COM MOBILE | お申し込みの流れ(J:COM MOBILE) https://www.jcom.co.jp/service/mobile/usage/ |
3-4. 結局、どれがお得なの?
「色々な選択肢があるのはわかったけれど、結局どれがお得なの?」と、迷ってしまいますよね。
解約、休止、MVNO、どの選択肢にもメリット・デメリットが存在しますが、参考までに費用だけを見て試算を行ってみました。(20230年7月10日時点の最新情報を元にしています)
参考)【休止】auを利用し、月額料金が9,000円、一時帰国2回の場合の年間費用
項目 | 発生費用 |
---|---|
休止手続き | 3,850円×2回=7,700円 |
利用再開手続き | 無料 |
赴任中の月額料金 | 412円×10カ月=4,120円(使用休止10ヶ月分) |
帰国時の月額料金 | 9,000円×2カ月=18,000円(一時帰国時2ヶ月分) |
合計 | 29,820円 |
参考)【MVNO乗り換え】auから楽天モバイルに乗り換えた場合の年間費用(初年度)
項目 | 発生費用 |
---|---|
事務手数料 | 0円 |
SIMカード発行手数料 | 0円 |
赴任中の月額料金 | 1,078円×10カ月=10,780円(10ヶ月分) |
帰国時の月額料金 | 3,278円×2カ月=6,556円(一時帰国時2ヶ月分) |
合計 | 17,336円 |
上記のように、赴任期間が1年間でも、頻繁に一時帰国をする場合、スマホ利用料は2倍近い差になります。
費用、手続きの煩わしさ、通信速度、赴任期間や一時帰国回数などを考慮した上で、一番納得のいく方法を選択していきましょう。
上記を踏まえたうえで、目安としてのおすすめ方法は以下となります。
- 長期で海外赴任し、一時帰国もしない場合は解約
- 赴任期間が短い場合は休止手続き
- 頻繁に一時帰国する場合はMVNOに乗り換え
こちらも、本項で解説した内容をYES/NOチャートにしました。ぜひご活用ください。
図)日本の携帯電話番号維持について
4. まとめ
以上、現在利用しているスマホを中国で利用する方法や、その他スマホに関わる手続き方法を解説しました。
中国で現在利用しているスマホ端末をそのまま使う方法は以下の2つです。
- 国際ローミング
- 端末をSIMフリーにして中国キャリアのSIMを挿入
しかし、国際ローミングは大変高額なため、赴任の場合は現実的ではありません。
端末をSIMフリーにするには、現在かかっているSIMロックを解除する必要があります。SIMロックの解除は、利用キャリアで所定の手続きを行えば可能です。
iPhone以外の端末は中国の周波数帯に対応していない可能性があるため、SIMロックを解除する前に利用端末が中国の周波数帯に対応しているかを確認しましょう。対応していない場合は、中国でスマホごと買い替える必要があります。
中国にも、日本同様に3大キャリアが存在します。
- 中国移動通信(China Mobile)
- 中国聯通(China unicom)
- 中国電信(China Telecom)
それぞれ特徴があるため、赴任スタイルに応じて選択をしていきましょう。
中国キャリアの料金プランは、大きく分けて2つあります。
- 月額定額タイプ
- プリペイドタイプ
月額定額タイプは毎月の料金が一定ですが、個人で契約する場合はパスポートと現地の保証人が必要となるためハードルが高く、主に法人契約で利用されているようです。プリペイドタイプは金額を使い切った後はアプリ経由でリチャージができ、帰国する際の解約手続きも不要ですので、個人契約の場合はプリペイドタイプがおすすめです。
スマホ本体をどうするかが決まったら、日本の携帯電話番号を残すかを検討していきます。選択肢は3つあります。
- 解約
- 休止
- MVNO(格安SIM)への乗り換え
費用だけを見たおすすめの方法は以下となります。
- 長期で海外赴任し、一時帰国もしない場合は解約
- 赴任期間が短い場合は休止手続き
- 頻繁に一時帰国する場合はMVNOに乗り換え
中国ではキャッシュレス決済が主流となっており、日常生活において、日本よりもスマホが重要なポジションを占めています。選択肢が多数あり、どれも手続きは必要ですが、快適な赴任ライフに向けたステップだと考えれば、ポジティブに進めていくことができるのではないでしょうか。
- ジョイテル「中国携帯キャリアはどれを選ぶ?中国電信/中国聯通/中国移動のシェアや特徴を解説」,https://www.joytel.jp/topics/it-china/which-select-mobile-carrier/(閲覧日:2023年7月4日)
- SoftBank「2023年最新!中国の通信キャリア・クラウド事情」,https://www.softbank.jp/biz/blog/cloud-technology/articles/202304/china-it-2023/(閲覧日:2023年7月10日)
[1] 総務省電波利用ホームページ「国際電気通信連合の無線通信規則第5条に規定される国際分配について(参考情報)」,https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/share/sanko.htm(閲覧日:2023年7月10日)
[2] 総務省「携帯電話・PHSの番号ポータビリティ」,https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/mnp.html(閲覧日:2023年7月10日)