「中国で病気になったらどうしよう。中国語が話せなくても、病院で診てもらえるのだろうか?」
赴任先で病気になってしまったとき、最も困るのが「言葉の問題」と「病院選び」ではないでしょうか。症状をどのように説明したらよいのか、病院はどうやって探せばよいのかなど、いろいろな不安が頭をよぎることかと思います。
赴任先では、風邪や腹痛といった病気だけではなく、日本では思いもよらない病気にかかる可能性も否定できません。外務省の「世界の医療事情[1]」では、中国でかかりやすい病気として、下痢・食中毒のほか、結核、PM2.5などの大気汚染による呼吸器症状、狂犬病などを挙げています。
この記事では、中国で病気になったときに安心して対応できるよう、北京・上海・広州・大連の日本語が通じる病院の一覧を紹介します。また、中国のローカル病院を受診する際の注意点も詳しく解説します。
さらに、医療費の補償を充実させるための海外旅行保険や中国駐在員向けの医療保険もご紹介します。
中国でビジネスを成功させるには、まずは健康が重要です。自分自身だけでなく、家族の健康もしっかり守れるよう、今から準備を始めましょう。
目次
1. 中国で病気になったら日本人(外国人)向けの病院を探そう
中国にいると、日本では思いもよらぬ理由で体調を崩すことがあります。都市部のレストランでも食中毒になることはありますし、中国では結核が死因の上位を占めています。もし体調不良になったら、自己判断せずに、速やかに病院へ行くことをおすすめします。
そこで問題になるのが、「どこの病院へ行くか」です。
中国で病気になったら、まずは「日本人(外国人)向けの病院」を受診するか、地元の人が利用する「ローカル病院」を受診するかを選択することになります。
中国のローカル病院は、日本の病院とはシステムが違う上に、基本的に外国語には対応していません。一方で、外国人向けの病院は、言語対応に加えて、海外旅行保険や駐在員向けの保険の対応にも慣れています。危急の事態を除いては、外国人向けの病院を受診するのが無難です。
1-1. 日本人(外国人)向けの病院を受診するメリット
日本人(外国人)向けの病院を受診することには、以下のメリットがあります。
- 日本人医師が在籍している
- 日本語の通訳サポートがある
- キャッシュレス・メディカルサービスが受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)
日本人医師が在籍している
北京や上海などの大都市では、日本人医師が在籍している病院やクリニックがあります。
日本語が通じるので、日本語で症状を説明したり、診察の結果を説明してもらったりすることができ、とても安心感があります。ただし、日本人医師が在籍している病院は多くありません。
日本語の通訳サポートがある
日本人医師が在籍していなくても、日本語の通訳サポートをしてくれる病院があります。そういった病院をインターネットで探す場合は、「日本語対応可」「日本語受付」などの表記を確認するとよいでしょう。
キャッシュレス・メディカルサービスを受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)
キャッシュレス・メディカルサービスとは、海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入している人向けのサービスです。病院の治療費を自己負担する必要がなく、費用は保険会社から病院に直接支払われるので、面倒な支払いの手続きが不要です。
日本人を含む外国人向けの病院の多くは、キャッシュレス・メディカルサービスに対応しています。海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入している人にとっては、とても便利なサービスです。
キャッシュレス・メディカルサービスを受けるには、保険会社と提携している病院を受診する必要があります。詳しくは、各保険会社の提携医療機関リストをご確認ください。
キャッシュレス・メディカルサービスを受ける手順
- 保険会社に連絡して、提携している病院を紹介してもらう
- 提携病院で所定の書類(保険証券、保険契約証、被保険者証など)を提示する
- 氏名などの必要事項を記入する
- 診察を受ける
- 費用の支払いは保険会社が直接行う
キャッシュレス・メディカルサービスを利用するためにも、万が一に備えて、海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入しておくことをおすすめします(海外旅行保険の選び方については3章で詳しく解説します)。
海外旅行保険に未加入の場合は、治療費を事前に確認しよう
日本人(外国人)向けの病院では治療設備が充実している分、診察・治療費も高額になることがあります。
海外旅行保険に加入していないと医療費が全額自己負担になることがあるので、CTやレントゲン、血液検査などをするときは、どのくらいの費用がかかるのかを事前に確認した方がよいでしょう。
1-2. 日本人におすすめの病院一覧
外務省のホームページなどに、日本語対応が可能な病院が掲載されています。総合病院だけでなく、眼科や歯科などもあるので必要に応じて参照するとよいでしょう。
今回は、北京・上海・広州・大連にある、日本人または外国人向けの病院をご紹介します(※以下の病院リストは当ブログが受診を推薦・推奨するものでありません)。
表)北京・上海・広州・大連の日本語対応可能な病院(外務省ホームページより一部抜粋)
地域 | 病院名 | 住所 | 特徴 |
---|---|---|---|
北京 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/beigin.html | ラッフルズ・メディカル北京クリニック (https://www.rafflesmedicalchina.com/site/beijing-hospital) | 北京市朝阳区新源里16号琨莎中心一座105号室 | 日本語対応可能な医師が在籍 |
北京ユナイテッドファミリー病院 (https://beijing.ufh.com.cn/ja/) | 北京市朝阳区将台路2号 | 日本人医師・日本語対応可能な医師が在籍 | |
VISTAメディカルセンター (http://www.vista-china.net/jp/) | 北京市朝阳区光华路1号嘉里中心商场3F | 医療スタッフによる日本語対応可 | |
北京国際医療センター (https://www.imcclinics.com/about?id=31) | 北京市朝阳区亮马桥路50号北京燕莎中心写字楼S-106/S-107/S-110/S-121 | 日本語対応可能な医師・スタッフが在籍 | |
上海 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/shanghai.html | 上海ヨセミテ病院 (http://www.yosemiteclinic.com/jp_index.aspx) | 上海市静安区富民路118号 | 日本人医師が在籍、日本語通訳あり |
上海嘉会国際医院 (https://www.jiahui.com/) | 上海市徐汇区桂平路689号 | 英語で受診可、日本語通訳あり | |
東和クリニック (http://www.towa-clinic.com/) | 浦东院:上海市浦东新区锦康路5号 古北院:上海市长宁区荣华东道88号4F 天山院:上海市长宁区天山路1111号3F | 日本人医師が在籍 | |
上海ユナイテッドファミリー病院 (https://shanghai.ufh.com.cn/ja/) | 上海市长宁区平塘路699号 | 英語で受診可、日本語通訳あり | |
広州 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/koshu.html | イーストウエストメディカルセンター (https://www.eastwestmedico.com/) | 广州市天河北路233号中信广场14楼1401室 | 日本人理学療法士が在籍、日本語通訳あり |
EurAmメディカルセンター (http://www.eurammedicalcenter.com/wzsy) | 广州市珠江新城华利路15号远洋明珠大厦北座1F | 日本人歯科医・日本語対応可能な医師が在籍、日本語通訳あり | |
大連 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/dalian.html | 大連VITUP国際病院(http://www.vitup.cn/index.php/cn/) | 大连市开发区双D港生命二路22号 | 日本語での受け付け可 |
上記の病院以外にも、日本人向けの病院やクリニックは数多くあります。
赴任直後に医療機関を受診する場合は、外務省の医療機関リストや、海外旅行保険の提携医療機関リストで調べるのが確実です。駐在生活に慣れたら、赴任先で発行されている日本語のフリーペーパーや、現地日本人会など、日本人ネットワークの情報も頼りになるでしょう。
2. 中国で病気になり、ローカル病院を受診するときの注意点
赴任先に日本人(外国人)向けの病院がない場合には、ローカル病院を受診することもあるでしょう。しかし、中国の病院事情は日本とは大きく異なりますので、注意点をしっかりと把握しておくことが必要です。
ローカル病院を受診する際に注意すべき点は以下の通りです。
- 診療費は先払いが基本
- 大病院はとても混雑するため、インフォームドコンセントは期待できない
診療費は先払いが基本
中国のローカル病院では、基本的に診察代や検査費用は全て先払いです。また、病院によっては受け付けで順番待ちをするだけで費用が発生したり、診察を受けたい医師の経験年数によって診療費が変わったりすることもあります。
先払い式なので、診療を受けてから「お金が足りなかった」といった状況になる心配はありませんが、日本とは大きく異なるところなので、覚えておきましょう。
大病院はとても混雑するため、インフォームドコンセントは期待できない
専門性の高い医療サービスを提供する大学病院や大型の総合病院級病院では、受診する人が非常に多いので、大病院ほど大混雑が予想されます。
通常、医師は診察に追われ多忙を極めるため、患者と十分なコミュニケーションを取ることは難しく、日本のようなインフォームドコンセント(医師による説明と患者による医療行為への同意)はあまり期待できません。
自ら、処方してもらいたい薬や治療法などをしっかりと主張して、納得がいくまで説明をしてもらうことが必要です。
しかし、ローカル病院では日本語や英語の通訳サポートは期待できず、医師も外国人向けに理解しやすい中国語を話してくれるとは限りません。
中国生活が長く、中国語の医療用語もマスターしている人であれば、ローカル病院でも医師やスタッフとコミュニケーションを取れるかもしれませんが、初めのうちは日本語対応が可能または外国人向けの病院を受診するのが無難です。
病院に行く前に、まずは市販薬を服用して様子を見たいという場合には、以下の記事を参考にしてください。
3. 中国で病気になったときのための医療費の備え
1章でご紹介したように、日本人医師や日本語通訳者が在籍している病院を受診すれば、言葉の不安は解消できます。しかし、「治療費が高額になったらどうしよう」「日本の保険は使える?」など、医療費の心配が残ります。
この章では、これらの疑問を解決するための情報をお伝えします。中国で病気になったときの医療費の備え方は主に4つあります。
- 駐在保険などの、海外旅行保険に加入する
- クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する
- 駐在員向けの現地医療保険に加入する
- 日本の保険を利用する
それぞれを詳しく解説していきます。
3-1. 医療費補償を充実させるなら駐在保険への加入がベスト
海外旅行保険は、海外で病気やケガをした場合の医療費を補償するものです。
海外旅行保険に加入した上でキャッシュレス・メディカルサービスを利用し、提携医療機関を受診すると、補償の範囲内であれば病院での支払いなしで診察・治療を受けることができます。これなら、費用の心配をすることなく治療に専念できるでしょう。
ただし、一般的な海外旅行向けの保険は、保険期間も短く、補償内容も旅行者向けとなっています。
駐在や留学などの長期滞在向けには、保険期間が1年以上に設定されている海外旅行保険や、アパートの室内での盗難、事故に係る救援者費用など、現地の長期生活に備えた特約が販売されています。特約とセットで「駐在保険」「海外旅行保険(駐在型)」といった名称の保険商品もあります。
駐在向けの保険を選ぶ際は、(1)保険料、(2)補償される治療費用をしっかりとチェックしましょう。保険料は保険期間や補償内容によって異なるので、数社から見積もりを取って比較検討するとよいでしょう。
中国での医療費は高額になることが多く、入院した場合は数十万~数百万円、緊急海外移送になった場合は数千万円の費用が請求される可能性もあります。
海外では思いもよらないトラブルに巻き込まれることもあるので、補償内容は充実させておくことをおすすめします。
以下、中国赴任で加入できる駐在向け海外旅行保険の一例を表にまとめました。保険期間は1年を設定しています。補償内容は「治療費用」と、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりという場合に補償される「個人賠償責任」などをピックアップしています。
表)駐在向け海外旅行保険の補償プラン例
保険期間 | 保険料 | 治療費・救援費用 | 個人賠償責任 | 傷害死亡 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
東京海上日動 (https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/travel/kaigai/) | 1年 | 49万8300円 | 無制限 | 1億円 | 3千万円 | 組み立て自由なフリープランもあり |
t@bihoたびほ(ジェイアイ傷害火災保険) (https://tabiho.jp/tb/) | 1年 | 21万6450円 | 5千万円 | 1億円 | 3千万円 | ネット専用 |
AIG損保 (https://travel.aig.co.jp/ota/plan/work) | 1年 | 26万4480 円 | 無制限 | 1億円 | 3千万円 | 帯同家族用プランあり |
上記の駐在向け海外旅行保険のおすすめプランは、いずれも補償される治療費用が5千万円以上です。手厚い補償が必要な部分と、省略できる部分を吟味して、万が一の緊急時にもしっかりと備えましょう。
3-2. クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用
クレジットカードの中には、海外旅行保険が付帯されているものがあります。「自動付帯」であればそのカードを持っているだけで、「利用付帯」であれば旅費をそのカードで決済するなどの条件を満たせば、治療費用や傷害死亡、個人賠償責任などの補償が適用されます。
ところが、クレジットカード付帯の海外旅行保険の保険期間は90日間が一般的です。そのため、3カ月以上、中国に赴任することが決まっている場合、残りの期間は保険がない状態になります。
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社の海外旅行保険と比較すると補償内容が手薄です。例えば、クレジットカード付帯の海外旅行保険で補償される治療費用は100~200万円が一般的で、3-1でご紹介した補償内容と比較すると、やはり不安が残ります。
3-3. 駐在員向けの現地医療保険を利用
中国には、駐在員向けの医療サポートサービスを行う企業もあります。医療通訳サポートや、事故時の緊急対応だけではなく、付随する現地医療保険を契約すると、指定病院でのキャッシュレスサービス(保険会社などへの治療費用請求代行)なども受けることができます。
医療サポートサービスについては、多くの日系企業が、駐在員向けに企業単位で契約しているようです。自社の福利厚生で得られるサポートを確認して、各自に必要な補償を考えていきましょう。
一例として、WellBe(http://wellbemedic.com/)の現地医療保険の場合、一番安いプランで治療救援費用は約1050万円まで補償され、年間の保険料は約24万円(40~49歳)です。保険利用やキャッシュレス対応できる医療機関の範囲などによって、保険料が変わります。
表)WellBeの現地医療保険の補償
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 100万人民元 (約2100万円) | 100万人民元 (約2100万円) | 150万人民元 (約3150万円) | 200万人民元 (約4200万円) |
治療救援費用 | 50万人民元(約1050万円) | |||
疾病死亡 | – | 30万人民元(約630万円) | ||
重大疾病一時金 | 5万人民元(約105万円) | 10万人民元(約210万円) |
(1人民元=約21円/2024年3月6日現在)
日本の保険会社の海外旅行保険は、保険期間が自宅出発から日本帰国までとなるため、日本に滞在中でなければ契約ができません。また、駐在保険は契約条件に日本企業から派遣されていることが含まれる商品もあるため、現地採用の従業員は契約できないケースもあります。
一方、WellBeは、中国の中国人民財産保険が引受保険会社となるため、本人や帯同する家族が中国に到着してからの契約や、現地で採用された従業員の契約も可能です。
ただし、WellBeの現地医療保険に加入するには、同社が販売する「WellBeメディックサービス」という医療サポートサービスへの加入が必要です。また、中国以外の第3国への出国中は、保険適用外となる点に注意しましょう。
医療サポートサービスとは?
医療サポートサービスとは、病院の紹介・予約、医療通訳の手配、緊急時の搬送などをサポートしてくれるものです。保険会社によっては、「医療アシスタンスサービス」「海外アシスタンスサービス」などと呼ばれることもあります。
注意点として、医療サポートサービスは医療保険ではないので、医療費の補償は付いていません。キャッシュレス・メディカルサービスを含む医療費補償を受けるには、医療保険に加入する必要があります。
保険会社によっては、医療保険と医療サポートサービスがセットになっているものがあります。なお、WellBeの場合は、現地医療保険には加入せず、医療サポートサービスのみを利用することも可能です。
3-4. これも知っておこう!日本で加入した保険の活用方法
中国で病気になったときに備える方法には、日本で加入している保険を利用する方法もあります。主に2つの手段があります。
- 健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用する
- 日本の民間の医療保険を利用する
健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用する
企業などで健康保険(健保)に加入している場合や、国民健康保険(国保)に加入している場合、「海外療養費」の申請を行うと、海外で支払った医療費の一部の払い戻しが可能です。
この制度は、海外旅行保険に加入した際に受けられるキャッシュレス・メディカルサービスとは異なり、診察や治療でかかった費用の全額を、一度は自分で支払う必要があります。その後、日本に帰国した際に医療費の一部の払い戻しを受けることができます。
ただし、還付の対象となるのは、日本国内で保険診療として認められているものに限られており、インプラントや美容整形、日本で保険が適用されない医療行為や投薬の費用は対象になりません。
海外療養費制度で払い戻される金額は、日本で同じ治療をした場合にかかる医療費を基準にして計算されます。
例えば、海外で100万円の治療を受け、日本で同じ治療をした場合の費用が60万円だったとします。この場合、60万円の7割(日本で医療を受けて自己負担額が3割の場合)=60×0.7=42万円が還付されます。トータルすると、100万円-42万円=58万円の自己負担となります。
上記の例からも分かるように、健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用しても、海外旅行保険とは異なり、医療費の一部を自分で支払う必要があります。ある程度の出費は免れませんが、医療費補償を受ける1つの手段として覚えておきましょう。
なお、健康保険(健保)や国民健康保険(国保)に加入したまま中国に赴任できるかどうかは、赴任の形態や期間によっても異なるので、確認が必要です。
海外療養費について
全国健康保険協会:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3120/r138/
(閲覧日:2024年3月7日)
日本の民間の医療保険を利用する
メットライフ生命や日本生命など、日本国内で保険会社の医療保険に加入している場合、海外で支払った医療費の請求が可能です。
請求の方法は、海外から直接請求する方法と帰国後に請求する方法がありますが、保険会社によって異なるため事前に確認する必要があります。また、保険会社によっては海外での医療費の支払いに対応していない可能性もありますので、事前の確認が必要です。
以上、万が一中国で病気になったときの医療費の備え方を紹介しました。現地の病院へのかかり方を押さえるとともに、医療費の支払いにも困らないように準備しておきましょう。
4. まとめ
ここまで、中国で病院にかかる場合の対応と、医療費の備え方についてご説明しました。
中国で病気になったら、日本人(外国人)向けの病院が安心です。中国生活のベテランであればローカル病院を受診してみるのもよいかもしれません。
日本人(外国人)向けの病院の受診するメリットは以下の通りです。
- 日本人医師が在籍している
- 日本語の通訳サポートがある
- キャッシュレス・メディカルサービスが受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)
北京や上海などの大都市では、日本人医師が在籍している病院やクリニックがあります。日本人医師が在籍していない場合でも、病院・クリニックによっては日本語の通訳サポートがあります。
また、外国人向けの病院の多くはキャッシュレス・メディカルサービスに対応しています。海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入していれば、治療費を自己負担する必要はなく、面倒な支払いの手続きも不要です。
病気になったときは、ローカル病院を受診することもできます。ローカル病院では、治療費が先払い制になっており、診察やレントゲン検査などをする前に費用の支払いが求められます。
また、大病院ほど大混雑が予想されるので、インフォームドコンセントはあまり期待できません。
中国で病気になったとき、医療費の補償を充実させるには、以下の方法があります。
- 海外旅行保険に加入する
- クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する
- 駐在員向けの現地医療保険に加入する
- 日本の保険を利用する
海外でのケガや病気は、医療費が高額になることがあります。万が一に備えるためには、中国で利用できる医療保険に加入しておくことをおすすめします。
海外で生活すると、思いもよらないときにケガをしたり、日本ではあまりなじみのない病気にかかったりすることもあります。「自分は病気にはならない」「何とかなるだろう」と考えるのではなく、今できる範囲で準備をしておきましょう。
- 株式会社カカクコム・インシュアランス「海外の医療費」,『価格.com』,https://hoken.kakaku.com/travel/select/cost/shanghai/,(閲覧日:2024年2月14日)
[1] 外務省「世界の医療事情」北京・上海・広州の情報より抜粋,https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html (閲覧日:2024年1月26日)